■ Accounting ■



■Quebec(Canada)



『英文経理と英文会計』
 巷では英文経理と英文会計と称される2つの用語が混在しているようですが、ここでは以下のように定義します。 
@英文経理:英語を用いて、日本の会計基準に従う経理処理
A英文会計:英語を用いて、USGAAPやIFRSに従う経理処理

 外資系中堅企業の多くは、日本の会計ソフトを使用した”日本語を用いて、日本の会計基準に従う経理処理”を行い、それを本社指示により英語に修正するのが一般的で、日本経理英語化といえます。

































































































★Egypt


Accounting


T英文会計の概要

1.経営環境

 一般的に中堅企業に必要とされる英文会計の処理は限られた範囲で、さほど高いレベルは要求されません。海外本社の日本子会社という経営形態をとる場合が多く、海外本社からの指示で英語の月次試算表を要求される程度だからです。勘定科目の指定から試算表のフォーマットも本社から指示される場合がほとんどです。複式簿記は万国共通ですから、恐れるには及びません。英文会計で使用される基礎英文会計単語をマスターし、本社がUSGAAPかIFRSかを確認しておく必要があります。
 日本の子会社は日本法人(株式会社または合同会社)ですから、日本の会計基準により決算をして税務署等に税務申告・納税をすると共に、海外本社に試算表などの決算情報を報告して、海外本社で連結します。


2.プロセス

 海外本社との月次プロセスは、次のようなケースが一般的です。
 @日本の会計ソフトで月次決算:ここまでは通常のプロセス
 A本社指示の英文会計フォーマットを作成・提出:仕訳帳と試算表を提出
 B月次ミーティング:電話会議、テレビ会議等英会話力も必須となります。予算と実績の予実管理だけでなく、予測を考慮した予実予(予算・実績・予測)管理が求められる子会社もあります。年次決算もほぼ同様ですが、より細かくかつ厳しくなります。


3.資格

 実務では別に資格は要求されませんが、英文会計を学んで、腕試しとして受験する資格には、次の2つがあります。各人のニーズにより対応する必要があります。
@国際会計検定またはバティック/BATIC:
Bookkeeping and Accounting Test for International Communicationの略で、日商簿記と同じ商工会議所で実施しています。結果は合格/不合格ではなく、点数で表示されます。初歩レベルから受験できますし、受験料も比較的安価です。
A米国公認会計士(USCPA):
レベルも高く受験料も高額で、受験地は日本もしくは米国になります。


U英文会計の実務

1.会計基準

 簿記のレベルでは万国共通ですが、日本を取り巻く会計基準には、次の3つがあります。 
@日本基準:会社法、財務諸表等規則、税法等による我が国の会計基準です。
AUSGAAP(米国基準):米国等で用いられている会計基準です。
BIFRS(国際会計基準):EUを中心に国際的に普及している会計基準です。
 IFRSの詳細は、IFRS を参照してください
 試算表まではさほど会計基準の差異の影響を受けませんが、売上認識(出荷基準vs検収基準)や減価償却(定率法vs定額法)などは、本社指示に従う必要があります。


2.基礎英文会計単語

 外資系中堅企業に必要とされる英文会計の処理に必要な英文会計単語は、200語ぐらいをマスターすれば大体の仕事は出来ます。基礎英文会計単語のクイズにチャレンジして、実力をチェックしてください。

【基礎英文会計単語のクイズ】    次の単語を英単語にしてください。
Q1:国際会計基準 Q2:複式簿記 Q3:仕訳帳        Q4:総勘定元帳  Q5:試算表
Q6:附属明細書   Q7:売掛金    Q8:減価償却費 Q9:売上原価    Q10:脱税
  

解答はこの頁の最下部又は英文会計・基本単語60選で確認してください。
       ⇒【評価】10、9:OK 8、7:maybe OK 6〜0:NG 
       英文会計・基本単語60選

3.Journal entries:仕訳

 英文会計でも最初の作業は、Journal entriesといわれる仕訳です。複式簿記は万国共通の”簿記語”ですから、日本のやり方を英語にしただけで、仕訳法は100%同じです。
 (取引) 商品1,000を売掛金で売上
 *日本の仕訳 (借方)売掛金 1,000         (貸方)売上高 1,000
 *英文会計  (Dr.)accounts receivable 1,000  (Cr.) sales  1,000

4.T/B(Trial Balance):試算表

 T/Bまでは日本のやり方と同じで、単に英語にするだけです。
*日本の試算表
 勘定 期首残高  借方  貸方 期末残高
現金  2,000    123   234  1,889
*英文会計のTB
account beginning   Dr.      Cr.     closing
           balance                        balance
cash     2,000    123   234  1,889


5.F/S(Financial Statements):財務諸表

 F/Sは会計基準により表示等が日本基準と異なる場合があります。例えばISについていえば、日本基準では定番の”経常(経常利益)”や特別利益/損失はありません。
*IS(損益計算書)
Sales                  123,456
Cost of goods sold           23,456
      Gross profit           100,000
Operational expenses
  Salaries                 1,234
  ・・・・・・                  ・・・・
      Operational income        11,000
Other income(expenses)
  interest income              45
  interest expenses            145
    Income before tax         10,000
      Net income             6,000


V最後に・・・・

 外資系中堅企業の実務では英文会計の知識以外に、英語でのコミュニケーション能力が求められます。基礎的なe-mailの読み書きに加えて、英語の月次/決算ミーティングでの英会話力が必要となります。

   外資系中堅企業に必要な英文会計力=英文会計の基礎+英語のコミュニケーション能力

                         
  




【基礎英文会計単語のクイズの解答】  
A1:IFRS A2:double entry book keeping A3:journal A4:G/L(General Ledger) A5:T/B(TrialBalance)
A6:schedule A7:accounts receivable A8:depreciation A9:COGS(Cost Of Goods Sold) A10:tax evasion